近頃、夫からのモラハラが原因で離婚をした、という話を聞く機会も増えてきたと思います。
モラハラとは、「モラルハラスメント」の略称で、道徳・倫理に反したいやがらせで相手を精神的に追い詰める行為全般を指します。そのため、モラハラは精神的DVといわれることもあります。
肉体的な暴力を振るうわけではないので周囲に気づかれにくく、加害者も被害者も「これはモラハラだ」と認識していない場合もあります。
しかし、精神的に追い詰める行為全般とは言っても、どんな行為がモラハラに該当するのかわからないという人も多いでしょう。
ここでは、どんな行為がモラハラに該当するか、モラハラの実態とモラハラ被害への対処法についてご紹介したいと思います。
モラハラは夫から妻に対して行われる場合もあれば、妻から夫に対して行われる場合もあります。
どのような行為がモラハラになるのか。
夫と妻それぞれについて、モラハラに該当する行為の代表的な例をご紹介します。
など
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「夫によるモラハラ」「妻によるモラハラ」と分けてご紹介しましたが、どの行為も夫・妻の両方がし得る行為です。
ここまで、モラハラ加害者に共通する特徴をご紹介しました。
今度は、モラハラ被害に遭いやすい人の特徴についても見ていきましょう。
自分に自信が持てない人は、自分は他人よりも劣っていると思い込みがちです。
そのため、何か不本意なことを言われても、言い返せなかったり、「自分が悪いから仕方ない」と思い込んで言いなりになってしまう傾向があります。
そのような人は、モラハラ加害者にとって付け入りやすいのです。
喧嘩が苦手。ちょっとした言い合いでも怖くなってしまう。
という人は少なくないでしょう。
そのような人は、衝突を避けようとするあまり、自分の気持ちを押し込めて相手に従うという事が多いです。
これも、モラハラ被害に陥りやすい特徴です。
自分の意見を言うのが苦手な人は、どうせ自分の主張は通らない、と端から諦めてしまう事も多いです。
「~したい」という積極的な意見はおろか、嫌な事に対して「嫌」と拒否することさえも諦めてしまう人もいるでしょう。
明確な拒否を示せない人は、モラハラ加害者にとって都合がいいのです。
基本的に自分が我慢すれば何とかなる、と考えてしまう人は、モラハラ被害者にとても多いです。
そのような人は、誰にも相談せずに一人でどうにかしようとする傾向があります。
そのため、よりいっそう、周囲がモラハラ被害に気づきにくい、という影響もあります。
どのような内容のモラハラをしてしまうのかは人それぞれですが、モラハラの加害者にはいくつかの共通する特徴があります。
モラハラの加害者は自己中心的で、世界は自分を中心に回っていると思いがちです。
自分の欲望を何でも叶えようとし、自分の思った通りにならないと癇癪を起こしたり、相手に責任を押し付けることがあります。
物事がうまくいかない原因が自分にあったとしても、それを認めたくないのです。
モラハラの加害者は他人を下に見ることが多いです。
しかも、自分より立場が弱い人には強い態度になりますが、自分よりも高い地位の人、上の立場の人にはへりくだります。人間関係を損得勘定で捉え、自分の方が上に立てると感じた相手には、マウントを取るような態度で接する傾向があります。
モラハラ加害者は平気で嘘をつきます。
嘘だとすぐにわかる嘘をつくこともあれば、巧妙な嘘をつくこともあります。
共通するのは、嘘をつくことに何のためらいもないということ。
嘘がバレたとしても反省しない人が多いです。
モラハラ加害者は、他人の気持ちを理解することができない、あるいは理解しようとしない人が多いです。
自分の言動が相手を傷つけていることに気づかなかったり、気づいていながらもやめようとしない人もいます。
常に自分の物差しだけを基準にしがちなので、他人の気持ちを汲み取ったり、自分との違いを受け入れることができないのです。
夫婦といえど、互いに価値観の違いは生じます。
その価値観の違いを認め、お互いが歩み寄ることで価値観の違いを乗り越えるわけですが、モラハラ加害者は他者の価値観を認めたがりません。
やはり基本的に、「自分が正しい」という考え方が強いのです。
モラハラ加害者は、相手に相談することなく、物事を全て一人で決める傾向があります。
夫婦にとって重要な物事であっても、勝手に一人で決めてしまい、たとえ反対があっても押し通そうとします。
決断力があると言う範疇を超えて、独裁的だと言えます。
どのような行為がモラハラに該当するか、またモラハラをする人の特徴がわかったところで、 次はモラハラ被害に遭ったときの対処方法について解説します。
一方で、モラハラ加害者を相手にしない、という対処方法もあります。
モラハラ加害者は、自尊心を満たすためにモラハラをしている部分もあります。
相手に対して強い態度やキツイ態度を取り、相手を言いくるめたり従わせることで、自尊心を保っているのです。
そのようなモラハラ加害者に対しては、モラハラ行為に対してまともに取り合わない、という対処が有効です。
相手にしないというのは、反論せずに言いなりになるのとは違います。
怖くて言い返せないという弱気な態度ではなく、毅然とした態度で相手のモラハラをスルーしてください。
冒頭でも触れましたが、モラハラは被害者だけでなく加害者側も、それがモラハラだとは認識できていない場合も多いです。
つまり、自分のやっていることが問題のある行為だと、分かっていない場合があるのです。
そのような場合、「あなたのしている事はモラハラですよ」と指摘することで、案外素直に反省してくれるケースもあります。
ただ、中には「何でもモラハラって言えばいいと思って」と反発してくる人もいるでしょう。
その心配がある場合は、まずは「モラハラ」という言葉を使わずに、自分が嫌な思いをしているという事を伝えてみましょう。
モラハラ加害者は、自分の言ったことに相手が反発してくると、それをねじ伏せようと更に態度を強くします。
そのため被害者側は、もう自分が謝った方が楽だからと、すぐに謝る癖がついている人も多いです。
ですが、これは結局一時しのぎにしかなりません。
むしろ、モラハラ加害者を満足させ、モラハラを更に深刻化させてしまいます。
どんなに威圧的な態度をとられようと、あなたに非がない時は、絶対に謝ってはいけません。
モラハラ行為がエスカレートして、精神的暴力だけでなく、身体的外傷を伴う暴力に変わることもあります。
そうなる前に、離婚を考える夫婦もいますが、モラハラが原因で離婚する場合、モラハラ行為の証拠が必要となります。
相手が日常的に暴言を吐いたりしている事を証明するため、ビデオに録画したり、ボイスレコーダーを使って会話の内容を録音しておきます。
また、どんなモラハラを受けたか、被害の内容を日記に残しておくことも重要です。
モラハラは身体的な暴力ではないため、周りから見えにく被害を訴えにくい暴力です。 また、加害者自身も、自分が加害者だという意識を持たないケースも少なくないため、とても厄介です。
モラハラは夫婦間だけでなく、子どもに波及することも少なくありません。たとえ子どもに対して何か言うでなくても、両親の関係性が子どもに悪影響を与える可能性は極めて高いです。
モラハラにあったら、我慢をせずにしっかり対応していくことが大切です。
相手と話し合えない、話し合っても無駄だと悟ったときには、証拠を集めて専門家に相談するなど、予防と対策を行ってください。